今回のテーマは、部分最適の総和が全体最適にならない理由について語っていきます。
こんなこと、いきなり言われてもイメージしにくいと思いますので、野球の打順を例に考えてみてください。
ホームランの打てる4番バッターを9人揃えれば、最強の布陣になるかというお話です。
確かに、自力で点をとれるバッターは、チームにとって、のどから手が出るほど欲しい人材かもしれません。
ですが、野球というゲームは、とても奥が深いものです。ソロホームランよりも、満塁にして、シングルヒット一本の方が獲得できる点は多いように、同じタイプのバッターをそろえるよりも、いろんなタイプをバランスよく揃えた方がいい結果が生まれやすいのです。
ですが、企業をいろいろ渡り歩いてきた私ですが、この考え方ができる人材は、皆無と言っていいほどいませんでした。
そのため、部分最適の総和が全体最適になると漠然と思い込んでいる人しかいません。
この考え方の何がまずいかといえば、足し算の発想しかできないことなんです。
あれもできて、これもできて、何をやらせてもこなせるようになるやり方でないと、成果を出せないということです。
ですが、何事も、無制限に、好き放題やれるわけではありません。
人的資源・物的資源・資金・時間の制約という縛りのもと、成果を出さなければなりません。
そんな条件下であるにもかかわらず、そこにたどり着くための答えが、果たして、あれもこれもできなければならない方法なのでしょうか。
普通に考えて、こんなやり方で、成功できるわけありません。(もしできたら、新聞の一面トップを飾れますよ、絶対)
「じゃあ、どうすれば成功に近づけるのか」
答えは、簡単で、うまくいかない方法の逆をやればいいのです。
部分最適を足して(全てにおいてベストな行動をする)、ではなく、
総合的な観点から、ベストな行動をするようにするのです。
何もかもできる人材を求めるのではなく、一芸に秀でた人材を上手にまとめることで、効率よく成果に近づくのです。
ここで、こういう疑問が出てきた人がいることでしょう。
「なぜ、部分最適の総和が全体最適になると考える人がはびこっているのか」
「一芸に秀でた人材をまとめるにはどうすればいいのか」
これらの疑問については、後日考えて解答いたしますので、ご安心あれ。