前回、この記事を書きました。
この記事の最後に、「部分最適の総和が全体最適になると考える人が多いのはなぜか」というトピックを投げかけておりました。
今回は、そのトピックを解説していけたらと思います。
うーん、確かに、個々でベストを尽くせばオーケーと思っている人は、とても多そうですね。前回、野球の打順を例に出して考察しましたが、ホームランを打てばそれでいいと考える人は、後を絶ちません。
この理由を3週間かけて考えてみたのですが、原因(と思われる要素)を探り当てることができましたので、ご紹介します。
個人実績しか評価されないシステムが長年にわたり築かれているから
です。
日本社会で、出世していく仕組みをイメージしてください。
横並びで競わせ、その中から上位に入ったものから出世していく構図になってはいませんか?
要は、個人レベルで優秀な成績さえ残せれば、あとは出世していく仕組みになっているはずです。
しのぎを削りあうのは、悪いコトではありませんが、削れるしのぎそのものを大きくしようという考え方が出てこない(あるいは、つぶされる)のだともいえます。
ケーキで例えると、今、あるケーキをできるだけ多く取るのではなく、ケーキそのものを大きくしようとはしないイメージです。
この出世システムの何が問題かといえば、個々で優秀な成績をとりさえすればよいという考えに終始しがちな点です。
周りの人間をレベルアップさせて、組織全体を拡大させようとするのはおろか、周りの人間の足を引っ張り合う関係になることでしょう。
日本企業の課題として、マネージャースキルを持った人間が少ないことがあげられますが、そもそもマネージャーを育成する環境や土壌が存在しないことが原因かもしれません。