今回のテーマは、上手いアドバイスについてです。
例えば、仕事でミスが多いのが悩みであったとします。
普通であれば、自分で原因を考えることでしょう。
自分で考えて原因を究明できればいいのですが、そううまくはいかないものです。
どうすればミスを減らせるのかを、周りに聞いてそれを取り入れようとします。
そうすることで改善を図る方も多いに違いありません。
ですが、問題はアドバイスそのものが抽象的すぎることです。
「相手の話をきっちり聞こう」
「しっかりミスをしないよう意識づけよう」
「モチベーションが低いからだ」
そうした答えが返ってきて困惑した人も多いのではないのでしょうか。
こうした答えを返してしまう理由のひとつに、とかく日本人はアドバイスの仕方を学んでこなかったからです。
もっと正確にいえば、アドバイスの仕方を教わる機会が全くと言っていいほどないのです。
アドバイスを体系的に教えてもらえないなら、自分で試行錯誤して学んでいくしかありません。
「といっても、何をどうしたらよいかが全く分からない」
そんなあなたに、私の経験と知見から得たアドバイスを送りましょう。
答えは簡単で、アドバイスを極力具体的にすることです。
具体的なアドバイスを送るための方法をこれからお伝えします。
①メンタル的なことは伝えない
まず、守っていただきたいのは、メンタル面のアドバイスはしないということです。
冒頭の事例であげたような内容のアドバイスをしてはいけません。
例えば、
ミスをしないように気を付けてというアドバイスを受けたとします。
その気を付け方を、アドバイスを求めた側は知りたいはずなのに、気を付けてといわれても、何をしていいか分かりません。
このように精神的な側面からのアドバイスは、どうしても抽象的になりがちなので、いっそのことしない方が賢明なのです。
②伝えるアドバイスの数を3つまでに絞る
細かいアドバイスを大量にしてしまうというのも、アドバイスが下手な人の特徴です。
教えるのが好きな人にありがちなのですが、親切心のあまり、あれもこれも些末な情報まで提供しようとしてしまいます。
ひとつひとつのアドバイスの中身の質はわるくなかったとしても、情報量があまりに多いと、どのアドバイスを聞いたらいいか分からなくなります。
私の経験上、伝える内容は3つまでに絞った方が効果的です。
それ以上のアドバイスをしても、相手の情報処理が間に合わなくなるため、意味がないと思ったほうがいいでしょう。
③アドバイスの伝え方を適宜変える
「部下に何度、同じことをいっても聞いて改善されない」
この悩みを持たない上司は、いないはずです。
一見、耳を傾けない部下に原因がありそうですが、アドバイスをする上司にも顧みるポイントはあります。
アドバイスを伝える方法を変えながら、アドバイスをしてみたでしょうか。
口頭での指示が通らないのであれば、
・視覚的に伝える(アドバイスを書き起こすだけでも効果あります)、
・アドバイスをするメンバーを入れ替える(同じことでも、違う人からいわれると理解が早まったりします)、
ちょっと考えただけでもいろんな方法があります。